道和テック工業
専 務
藤森 忠(50代)
「手伝い」がきっかけで、30年この道に
この業界に入ったのは、ほんの「手伝い」がきっかけでした。たまたま内装業の仕事が空いたタイミングで、知り合いから声をかけられて。それが30年以上前の話です。最初は軽い気持ちだったんですが、気づけばどっぷり、ですね。
10年かけてすべての工程を任せられるように
最初は分からないことだらけで、とにかくがむしゃらでした。型枠、掘削、コンクリ打設——すべての工程を自分でやれるようになるまで、10年くらいかかりました。重機に乗るようになったのもその後です。
専務
10年かけて全工程を任せられるように
この仕事に必要なのは「算数」と「段取り力」
ダンプの手配や土の体積計算も、最初は感覚でやってたけど、算数の力は大事。平面の面積はもちろん、深さを加味してトラックの台数を逆算する。これがピタッとはまったときは、正直感動しますよ。この仕事は体力勝負でもあるけど、「考える力」も同じくらい大切です。段取り、配分、順序立て——どこで誰が何をやるかをイメージしながら、現場を回す力が求められます。
きつい冬も、みんなで乗り越えてきた
特に冬は雪の影響で予定が狂いやすい。でも、そこを乗り越えてきたのは、みんなが同じ方向を向いて、助け合ってくれているからです。
言い方一つで、現場の空気は変わる
現場を任される立場になって、今いちばん意識しているのは「雰囲気づくり」です。昔みたいに怒鳴って覚えろなんていう時代じゃないですよね。ときどき社長は社長の立場として私や親方には強く言うこともあるのですが(笑)、僕や親方が現場に伝えるときには言葉を選んでいます。みんなが嫌な思いをしないように、できるだけ前向きに伝えるようにしている。それが、職人が長く働ける現場をつくる第一歩だと思っています。
必要なのは「算数」と「段取り力」
求めているのは「前向きな姿勢」
僕が現場で求めているのは、経験の多さより「前向きさ」です。教えたことを素直に吸収しようとする人、自分から首を突っ込んでくる人——そういう人はどんどん成長していきます。
「型枠だけ」で終わらせない成長環境
道和テックの現場は、「型枠だけ」では終わりません。次の工程を見据えて動く力が身につく。その積み重ねが、任される存在への成長につながるんです。
自分の仕事が、誰かの暮らしを支える
この仕事は、ただの力仕事じゃありません。考える。工夫する。綺麗に仕上げる。そのすべてに職人の技が宿っているんです。自分のやった仕事が建物として残る。名前は残らなくても、確かに自分の仕事が誰かの人生を支えている。その実感があるから、僕はこの仕事を30年以上、続けてこられたんだと思います。